top of page

何を食べようか…?



この質問は今から外に食事に行こう、と誘っているものではありません。皆さんに立ち止まって考えてほしいのです。毎食の食事を、体調が整い、生活の質を良く保ち、環境にも良いものとするには、一体どの産地のものをどれだけ食べるべきなのでしょうか?



かつて私ヌンは一般的なフルタイムの会社員として働いていました。当時は何を食べるべきかなど特に気を使うこともなく、とりあえず手軽で便利なものを食べていました。健康についてきちんと考えたこともなかったのなぜか。よく言われるオフィスシンドロームには罹ったことがありますが、当時はそれ以外「未だ」重篤な病気をしていなかったからです。



ある時、田舎で農業をやろう、と、OLからの転身を決め、地元に戻って来ました。鶏を飼い、有機農法で野菜を植えたりして、「健康」と「食の安定」を確保しました。そして4年が過ぎたころ、確実な変化が身体に起きたのです。自分たちの食べるものを育て、育てたものを食べる、育てることを学び、自然を畏れ敬う、こうした暮らしを続けた結果、オフィスシンドロームはすっかり治り、身体は丈夫になりました。畑仕事はフィットネスに行くのと同じ、自然の中で澄んだ空気を吸う…でもちょっと待ってください!皆さんに都会の仕事を捨て有機農業をやりましょう、とお誘いしているわけではありません。皆さんにお伝えしたいこと、それは、健康を保つためには、3つのタイ語のアー、すなわち「アーハーン(食事)、アーカーット(空気)、アーロム(気分)」の要素が関わり合う、ということです。自分の経験から、育てたもので料理を作り、「食材の出どころ」に注意を払うことで、生活の質をより良く向上させることが可能になるのです。



旬の安全な野菜や果物を食べる


安全性は有機栽培(オーガニック)や無農薬栽培により得られます。除草剤や抑草剤、化学肥料やその他に由来する化学物質を使わず、遺伝子組み換え作物(GMO)も使いません。こうした安全な野菜や果物は、化学物質が含まれる場合のように、体内のそれぞれの器官に負荷をかけ、機能低下に陥らせるようなことがないため、癌や糖尿病、高血圧といった病気へのリスクを減らすことが出来ます。他にも興味深いことがあります…安全な野菜は価値があり、減農薬野菜とは出所が異なります。減農薬栽培の野菜畑や果樹園では、定められた量の範囲内の化学物質を使用することが許可されています。それからビタミンと食物繊維の摂取の秘訣について。伯母から聞いた話ですが、生野菜は食べるのを止めた方が良いということです。よくよく考えてみると、本当かもしれないと思うようになりました。私も畑で寄生虫を見つけたことがありますし、思い起こしてみれば、例えばタイ人は、マトゥーム・ケークやモンビンノキといった多年生植物の芽の部分をナンプリックという唐辛子ペーストと一緒に好んで食べています。枝・幹が地面についている葉物野菜は、寄生虫の卵や動物の糞に由来する病原菌が混じっているかもしれないため、火を通して食べた方が良いのです。また、オクラやハマゴウなど、寄生虫を一掃する効能を持つ野菜やハーブ類も摂るべきです。食べ物からビタミンを摂取したい場合は、新鮮な果物を選んで食べた方が栄養価が高くて良いでしょう。有機栽培の野菜や果物の味は、食べていただければすぐに気に入っていただけること請け合いです。ほのかな甘みがあり、身がしっかりしていて、歯触りが良く、即座に爽やかさを感じていただけることでしょう。



安全な肉類、牛乳、卵を食べる


放し飼いにされ、人間が化学物質の含まれない食べ物を食べるように、安全な材料から成る餌を与えられ、抗生物質やホルモン剤の投与をされていない動物でなければなりません。女性の皆さんご存知でしょうか?月経前症候群の腹痛も、食肉にされる動物に投与されるホルモン剤が影響しているのです。もしそうした症状をお持ちの方がいらしたら、今飲んでいる牛乳や食べている鶏卵の出どころを変えてみてください。牛乳も卵も同じ雌である生き物による生産物であるからです。肉類を好んで食べる方で、出どころが安全とは言えないものを食べていると、その肉類に投与されていた抗生物質が影響して、薬を服用した時に効きにくくなる、という傾向があります。また、衛生的な方法で、病原菌の混在する可能性が少ない方法で加工されたものを選ぶことを忘れないでください。



安全な調味料を食べる


ここまで来ればうま味調味料や固形スープの素のことを忘れることができますね。

有機農業の栽培方法による素材で料理をしている方は、調味料を非常に少量しか使わないことが分かります。甘い味付けの料理でない場合は、砂糖をほぼ使う必要がありません。塩味の料理には、塩かナンプラー、醤油をほんの少し使うだけで味が整います。素材そのものの味が良く、うま味が備わっているからです。ここで言う安全な醤油やナンプラーというのも、オーガニックか自然の水源に由来するものでなければなりません。特定の微生物と塩で適当な時間をかけて発酵させれば、香りも味も良く、安全です。このようなものは、発癌性物質(3-MCPD)が含まれることはなく、また、合成着色料や香料、合成調味料、防腐剤、うま味調味料など一式が含まれることがありません。



油を適量食べる


炒め物には米油、揚げ物にはココナツオイル又はラードを使う。これらの油も出どころが安全なものを選ぶことを忘れないでください。



5つの食品群から満遍なく食べる


自身のエネルギー消費に対する適切な炭水化物の割合は、有機栽培の野菜・果物を1日に400グラム摂取し、1食のうち、野菜2、炭水化物1、タンパク質1が最もバランスが良いと思います。力仕事をする方の場合は、炭水化物とタンパク質をもう少し増やしても良いでしょう。甘いお菓子が好きな方は、炭水化物や糖質を多く摂ってしまった場合は、運動して消費してください。バランスの取れた食事が最も望ましいものなのです。



自分で調理したものを食べる


毎日体を活き活きとさせるためには、朝食を抜いてはいけません。少しの時間を使って朝食を自分で調理するか、手軽にしたい人は、栽培の出どころが分かる素材を扱うお店で買い求めてほしいと思います。



良質な微生物を定期的に摂取する


良質な微生物とは、ヨーグルトや発酵食品に多く含まれる乳酸菌です。双方とも古来より食品を保存する方法として用いられて来ましたが、現代においては人間にとって非常に価値のある微生物として、そのメリットが解き明かされています。この微生物は、人間の免疫力を高め、腸を丈夫にしてくれます。腸の働きが整わなければ、身体も不調をきたすことになります。便通の良くない人には、口内炎や口臭、体臭、いら立ちなど、その影響がはっきりと見て取れるでしょう。素材を選んでヨーグルトを作り、手軽に食べることで、微生物の量が増えます。ヨーグルト(無糖)を食べるのに適したタイミングは、朝食や朝食に野菜や果物を食べた後です。

今日、有機農業に目覚めた若手の農家が増えてきています。安全な食べ物を扱う市場も多く見られるようになりました。こうした素材を買い求め、自分で料理することが出来るのです。中には、オンラインで直接農家から購入する消費者もいます。土地をお持ちの方で、自分で栽培してみようかなという方がいらっしゃれば、それも喜ばしいことです。



ここまで挙げた内容の中で、何か一つでも取り入れてみようかな、という方がいらっしゃれば嬉しいことですし、全部を取り入れてみよう、となれば、さらに喜ばしいことです。皆さんにぜひ、「安全に食べる」ことを意識することをご提案したいからです。命の安全によって、病気になる確率が減り、医者に通う回数も減るため、財産の安全も確保されることにつながります。私自身、過去5年間くらい、薬を頼らずに生活できています。食事を見直すことで健康を維持し、体調を崩した時も、量より質を重視して、食べ物を選んで摂取することで、治癒できることを学びました。



上に挙げたような素材でできた料理を食べれば、同じ1皿の料理でも満腹感が以前より維持できると気付くようになるでしょう!!!ご自分のために食材の出どころを変えてみて欲しい、そして身体の声を聞いてみて欲しいのです。私たちは、誰かに変わって病気になってあげることはできません。たくさんの人が今日から食べ方を変えていけば、地球を守り、温暖化も抑えることが出来ます。小規模の農家にも安定した仕事が生まれ、良質の食べ物と澄んだ空気を分かち合うことができるのです。環境に配慮し、土地の豊かさを守ることこそが、有機農業の核になるのです。



 


ナタカナーン・プリ―チャーボリスットクン(ヌン)

農家

安全食品生産者

ナチュラルシャンプー・石鹸生産者

自給自足分野講師


7 views

Comments


bottom of page