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つながる真実


ある16歳の女の子が、自身は健常だとする人物から、自閉症だと診断された。彼女が普通の人と大いに異なっている理由となっている病気。そう、スウェーデン人の環境問題活動家として活躍しているグレタ・サンバークさんだ。彼女は、地球の環境変動について国連でスピーチをした際に、世界各国のリーダーたちに対し、子どもたちに未来を託したい、などと図々しくも言ったものだ、と批判した。このスピーチに対して多くの人々が心を揺さぶられた。


我々が考慮しなければならないのは、環境の話だけではない。自然にかかわる全てのことが、全ての人々が考えなければならない義務であり責任であるのだ。なぜなら、我々は、何百何千年に渡り、自然を大いに利用してきたことで、タダで手に入れた元手である自然が変化が現れ始めた。空気、土、水…そして我々人間は、化学物質を用いて自然を癒そうとしてきた。ここで問われること、それは、その癒しの方法は正しいのかどうか、ということだ。


癌という病は、世界公衆衛生の問題であり、毎年の死亡者の13%を占めており、600万人以上に上っている。2015年には、癌罹患者は1800万人、及び新規患者が毎年900万人であった。世界保健機関は、2020年には世界で癌で死亡する人が1100万人にも及び、発展途上国において700万人に上ると予測している。癌発症の要因は様々であるが、国によって頻発する癌はそれぞれ異なる。理由のひとつは、人々の間では、感染症の発症が異なり、紫外線、化学物質を受ける量、食生活、遺伝的性質、生活様式や住んでいる環境等も異なっているためである。仮に癌の発症要因を何か1つでも減らすことが出来るとするならば、何もしない手はないのではないか


我々が最もコントロールし易い要因とは、何を選んで食べるのか、という我々自身だ。忘れてはならないのは、我々は、毎日食べる、ということだ。自分たちが何を食べているのか、遡って考えてみたことがあるだろうか。自分たちの食事によって地球に及ぼす影響とは?食にまつわる経済学的な例を挙げると、チキンガパオライス・目玉焼き載せ、このメニューで考えてみよう。タイ人はこの料理について、何も思いつかないからこれにしておくか、という言い方をするが、ガパオライスはもっとそれ以上のことを反映していると思う。見てみよう。


チキンガパオライス・目玉焼き載せは、1皿40バーツ程度。そのうち原価は、素材が30%、そう、12バーツだ。そのうち卵が4バーツ、残り8バーツは、米、鶏肉、にんにく、唐辛子、ガパオリーフ等、平均それぞれ2バーツずつほどかかる。とすると、店では非常に安価な米を使わざるを得なくなる。米のみで例に挙げてみよう。


安い米とは、いったいどこから来るのか。通常、農家が1ライの米を栽培するのに、収量を100%とすると、500キログラムの米が獲れることになる。しかし、化学物質を使わない有機農法で栽培すると、収量は(およそ)40%に落ち、200キログラム程度になる。従って、栽培するのに損失を持たず100%の収量をあげようとすると、害虫に食べられることのないように、薬を散布する。農薬の費用を相殺しても、100%の収量の米を販売できる方が元手が獲れる。米の価格が安くなってはいるものの、量を売ればその分利益になる。従って、ガパオライスの米が原価2バーツというのも、有り得る話だ。

 今上に述べたことは、真実だ。米に限ったことではなく、肉やニンニク、唐辛子、ガパオリーフも、同様の飼育・栽培方法を経てきている。しかしながら、我々は、市場がこのような様相である以上、それを農家だけの責任だと断じることはできない。安全な食事の要望はあるものの、市場での消費者の消費によって、農家はこうした化学物質に頼らざるを得ないのが現状だ。発端だ誰なのか犯人捜しをしたいのではない。最終的に、我々ひとりひとりが、自分の命や他人の命、そして環境という同時に存在しているものに対して責任を負わなければならないのだ。


過去10年に渡り、オーガニックの考え方が生まれ、農薬に汚染された料理や素材を受け入れないというトレンドを産んだ。しかしながら、病気になる人は増え続けており、患者の年齢が下がる傾向にある。これは、安全で安全基準認証を受けている農作物が価格が高いのか、ということについて多くの人が理解できていないからだ、という経済学的な見地で説明することができる。消費者自身が農薬の料金を支払う必要はないにもかかわらず、安全な素材を選ぶことが出来るのは、支払能力を有するVIPといった限られた人たちの権利のようなものに見える。また、どんな素性のものでも新しいパッケージデザインにオーガニックマークを付けて、売りやすくする販売者もいるなど、ごみを増やし、巡り廻って土に還してしまっているような状況もある。もう何もせずにはいられない。待ったなしの状況だ。誰か特定の人がやらなければならないものでもない。


消費者の立場としても、自分たちが安全であるために、食べるということに対して新しい考え方を持たなければならない。それには、これまでよりも高い価格を支払わなければならないということも理解する必要がある。農薬に頼らない、安全な食材を栽培するために農家が傾ける労力を考えて見て欲しい。癌の治療費用に比べたら少ないと考えればよいのだ。


農家としては、こうした営みの初めの段階に影響力を持っている人たちだと言える。地球の食事、命を循環させるものは、全て農家に委ねられている。


クレタ・サンバークさんは、何一つ間違ったことを話してなどいない。闘争的だと強い批判を受けているが、我々にとって、地球は真実をより求めているのだと思う。「全部間違っている。私はこの檀上にいるべきではなく、この大洋の向こうにある自分の学校で勉強しているべきなのだ。大人たちは若者に対して希望を持っている、などということがどうして言えるのでしょう。あなた方はこのようなウソで夢や若者たちの時間を奪っているのです。私は幸運な部類と言えるでしょう。人々は苦しみ、傷つき、死んで行っています。環境システムも崩壊の道をたどり、我々は滅びようとしています。それなのにあなた方はお金の話ばかり。どうしてそんなことができるのでしょうか。」サンダーバーグは涙を流しながら訴え、そして拍手が沸き起こった。




 

ライター

ナタポーン・ピンペット

クリエイティブ/話し手



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