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食べられる写真



フードフォトグラファーという仕事は、新規レストランやカフェにとって、SNSの世界で自身の店を人々に周知させ、流行を生み出すといった重要な役割を担っている。今回は都会のライフスタイル系WEBマガジン・BKKMENUのフードフォトグラファー、プローイことポーンニット・インターパットさんにお話を伺った。


フードフォトグラファーになった理由は?

私の個人的なライフスタイルで言うと、料理とは毎日の生活の中にあるもので、私たちは毎日料理を食べたり、カフェに行ったりして、日常生活から切っても切り離せないものとなっています。また、自分の得意な分野でもあり、このような形で働く機会を得て、料理の写真を専門的に撮ることになりました。


メイン、デザート、ドリンクの中で、何を撮影するのが最も好きですか?

本来、どんな料理でも、写真に撮るということは、チャレンジングで、それぞれ面白く魅力的です。現場の状況の中でいかに良いものにするか、フードフォトグラファーにとってはこうしたスキルがかなり重要になってきます。例えば、ドリンクの写真を撮る時は、迅速に撮影しなければなりません。ドリンクによっては溶け

てきてしまうし、レイヤー層があるものなら、分離してしまうからです。ですから、お店で出されるドリンクは、どういう構図でどんな照明で撮ろうか等、事前準備が必要です。また、メイン料理の撮影でも、どんなふうに撮れば見た人にその料理の味が伝わるか、写真を見て食べたいなと思わせることができるか、ということ

を考えておかなければなりません。



撮影で訪れたレストランの中で、ご自身の中で最も「ワーオ!」と思ったお店とは?

大体がストーリーのあるお店ですね。料理、素材について教えてくれたり、中には農家さんに頼んで季節の素材を安全に入手したり、例えば椰子のジュースから椰子砂糖に加工するなど調味料作りにこだわったり、香辛料を収穫して乾燥させたり、お店によっては素材が料理となってお客に届けられる前に、含まれる農薬量を

減らすためにこのくらいの量を作らなければならないと決めているなど。各種料理の歴史について知っておくと、実際にお店に出向いて店員やシェフからこのような話を聞いたときに、料理それぞれの価値が分かります。そうして撮影に入ると、料理を撮影する構図がこれまでと同じものにはなりません。単純に料理の写真とし

てだけ見ているのではなく、その料理のストーリーについてどうやって語りかければ興味深いものになるだろうか、そう考えながら撮影しています。


撮影終了後のフォトグラファーのご飯とは?

撮影に時間がかかると、料理もちょっと冷たくなってしまいますよね(笑)。美味しく食べたいので、お店にお願いして、料理を温め直してもらうこともあります。



現代人が食事の前後にこぞって写真を撮ることについてどう思いますか?

良いことだと思います。料理が運ばれて来た時に、みんなでわぁっ、と盛り上がり、写真に収める。その瞬間が好きです。自分が食べようとしているものを写真に撮って、他人にシェアして見せる。他人にちょっとしたインスピレーション与えているということですよね。それによって見た人が食べたいなと思ったり、自分の

ために取っておく場合でも、思い出になりますよね。今の時代、スマホであろうとカメラであろうと、誰でもフォトグラファーになれますよ。でも、食事に来ている人に迷惑にならない程度にわきまえなければならないという前提でです。


ご自身が撮影したフードフォトにインスパイヤされて、新規のレストランやカフェが数多く誕生していると考えたことは?

私の写真が一部インスピレーションとなって、一般の人が写真を撮ろうと思うようになったということはあるかもしれません。自分の経験から、料理を撮影するということは、撮影の練習のスタート地点であると言えます。料理の写真は、入りやすいですよね。なぜなら私たちは皆、毎日料理を食べているから。最近は新しい

お店がたくさんできて、お店のインテリアや料理の美味しそうな見た目など、自分が実際に見たり触れたりしたものから得た幸せを人にも知らせるということは、良い話を拡散しているのと同じで、写真を撮ってみようか、とか、休日を使ってカフェやレストランホッピングに行こうか、と新しいインスピレーションをフォロー

してくれる人に与えることになります。良く言えば、互いにこれらのお店をプロモートし合って、人々に周知し、新しいレストランやカフェを誕生させているようなものです。



ご自身の写真フォローすることで宝探しをしている「食べる人」に対してコメントは?

私の写真によって、自分も写真を撮ってみたい、美味しい料理を食べに行きたい等の新たなパッションを受け取ってもらえていることが嬉しいですし、感謝したいです。とはいえ、嗜好という点では、人それぞれ好きな味も違っていることもあるでしょうから、100パーセント保証できるものではありません。それらのお店がどうスペシャルなのかを知りたければ、自分たちで証明するしかないでしょう(笑)。


写真を撮るのが楽しくて、食べるのが好きだということ。これらによってフードフォトグラファーに。プローイさんを幸せにする仕事。撮影の仕事を受けるだけでなく、食事におけるインスピレーションやトレンドを人々に与えることで、彼女は幸せになっている。特に、健康や農家と連携した食の安全等のトレンドは、彼女

の愛する写真を介して持続可能な農業を生み出すもう一つの推進力となっている。

 

ライター

ナタポーン・ピンペット

クリエイティブ/話し手

 

インタビューした人

プローイ ポーンニット・インターパット

BKKMENUフォトグラファー

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