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オーガニック4.0



20年ほど前まで遡って考えてみると、外出せずとも買い物ができる、と言えば、恐らく、セールスマンが訪問販売でカタログを広げて品物をオーダーする、ということくらいしか思いつかなかっただろう。

しかし現代は、日々変化するインターネットや技術力の普及により、オンラインショッピングのアプリケーションが生み出され、スマートフォンさえあれば誰でも利用できるサービスとなった。



試しにアプリケーションストアで「オーガニック」で検索してみると、有機農業に関心を持つ人にとっては興味深いひとつのアプリケーションに出会った。


消費者でも農家でも、安全な食物を消費して健康的になりたいと願う人たちへ、Farmtoという可愛らしいアプリケーションをご紹介したいと思う。


アプリ名のFarm Toからして、コンセプトが明確で、有機農業と消費者を直接的につなぐ窓口であることが分かる。単なるオンライン上での購入だけでなく、消費者は、農家が栽培を始めた段階から収穫まで、成長過程をアップデートして知ることが出来るため、口にする食物は100%確実に安全であるということを確信することができる。



栽培初期の頃から待ち続けるのはちょっと、という人には、有機農法で育てられた野菜や果物から肉類、そしてシャンプーや石鹸などの加工商品まで、Farmtoで注文し、すぐに手に入れることもできる。アプリケーションのホーム画面では、それぞれの農家の新着情報や新たに収穫されたものの情報についてシェアしている。


そう、商品者のみならず、農家が新たにアプリケーションのメンバーとして加入することが出来、自分の畑の宣伝スペースを得て、畑の宣伝や有機農業を始めようと思ったきっかけや経緯などについて話したりすることができる。


誰もが熱意を以て有機農業に取り組み、消費者の安全な食物を届けたいという思いが伝わってくる。中には、以前は農薬を使って農業をしていたが、生まれたばかりの子どもが病弱であったため、家族のために有機農業に切り替えた、という人もいた。


バンコクでの生活に別れを告げ、わずかな1ライの小さな畑から有機農業を始め、少しずつ価値を高めて行き、現在は10~20ライの農業をしている人と同等の収入を得るようになった、という新世代の農家もいる。読むうちに自分も地方に行って小さな畑で農業に取り組む幸せを味わて見たい、と思わずにはいられない。



こんなことを考えるようになってから、アプリケーションのアクティビティのページに進むと、今日は誰が何をしているか、ということだけではなく、北から南まで、誰でも有機農業の農家として体験するのを歓迎するという内容を見て、非常に感激した。


多くの畑で、滞在しながら、野菜を植えたり、稲刈りをしたり、家畜を飼ったりすることを体験させてくれる。もしくは、何もせず田舎の雰囲気を味わいたいという人の希望だって叶えてくれるところはたくさんある。費用についても思っていたような高いものではなく、1000バーツ未満でも行けるところがたくさんあるのだ。最近、カレン・パガヨー族の人たちの暮らしについて学び、交流するというキャンプがあるのを知った。地元の料理を食べ、米作りを体験し、森を歩き、地元の人々と語らう…相当面白そうだ。


ここまで、アプリケーション自体のデザインや構造が素晴らしかったため、Farmtoについて話してきた。しかし他にも、食材を注文するだけでなく、有機農業食材のみを使うレストランから料理を注文することもできる。また、有機農業に取り組むことについてアドバイスをするようなアプリまであるので、時間が出来たら是非、有機農業体験をしてみてはどうだろうか。戻って来たら、どうだったか忘れずに話してくださいね。




 

ライター

パーラニー・ルートワタナーソンバット

フリーライター



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