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なぜ日本の主婦は自炊するのか?



日本のアニメやドラマを見たことのある人なら、「お母さん」が家族のために、毎食食事を作るシーンを目にしたことがあるだろう。日本人は家で自炊するのを好む。外食をするのは稀で、誕生日や記念日等、特別な機会の場合に限られる。物価が高いため、自炊すれば、家庭の費用を節約できる。外食をすると、食事代や交通費など、支出を増やすことになる。もうひとつ、日本人は食物アレルギーについても敏感だ。日本人は食物アレルギーが多い。自炊することで、そうした摂取する食物をコントロールすることができ、お母さんが選んだ素材は、「安全」で安心して食べられるものだ。



以前不思議に思ったのだが、日本人は、外食して料理が余っても、タイ人のように包んで家に持ち帰るようなことはしないし、ラーメンを店で食べた時に、家人に持ち帰るようなこともしない。日本人の友人によれば、日本人が外食して余った料理を持ち帰ったりラーメンを持ち帰って食べるようなことをしないという理由には、店によっては、店で食べるのと同じように美味しく食べてもらえない恐れがあるから、素材の新鮮さが失われてしまう恐れがあるから、持ち帰って温め直して食べる場合に正しいやり方でないと100%店と同じような質を再現することが出来ないから、等の理由で持ち帰ることを禁じているということがあるという。また、持ち帰ったものを食べて下痢をしてしまう客がいた場合、店のイメージダウンにつながるため、レストランやラーメン店では、多くが余った料理の持ち帰りを禁止し、持ち帰り用の料理を提供しない、というやり方でこの問題を解決している。このことからも、日本人が社会に対して示す責任を見て取ることができる。


私は以前、日本人とは、寿司や刺身を主食として毎食食べているのだと思っていた。しかし実際は、そんなことはなく、日本人が食べている食事もタイ料理とそれほど差が無いと分かった。同じ米を主食とし、おかずは肉類や魚介類、サラダや漬物、そしてみそ汁が並ぶ。日本食は、季節によって異なり、冬にはしゃぶしゃぶや、鍋、おでんと言ったものを食べ、夏には、素麺や冷やし中華、キュウリの漬物といった、食べるとさっぱりするようなものを食べる。日本人が季節によって異なる料理をするのは、素材のためかもしれない。有機農業の農産物は、自然の中で育つもので、化学肥料で成長を急がせたりせしない。季節の素材を使って調理をすると、その素材の出所は安全だと安心できるのだ。


日本人は、毎週、事前に何を作るか計画している。これは、費用と時間の節約ためだ。キャベツを1玉買うと、いくつかの部分に分けて、この部分はサラダ用、肉と炒める用、漬物用、と用途を決める。キャベツを1玉買う方が、カットされたものよりも割安であるためで、従って日本人の主婦は、何を作るか事前に計画しておかなければならないのである。



また、夫や子供の昼食用の弁当を作らなければならない場合、主婦の仕事はさらに負荷がかかる。事前に計画を立てて準備しておけば、素材の消費に役立つだけでなく、弁当のおかずを美味しそうに、かわいらしく、美しく盛り付ける助けになるからだ。日本人の友人に聞いた話によると、「弁当」とは、さながら調理した人(お母さん)からの手紙のようなもの、という。その日の子どもや夫への気持ちを伝えるものとして、例えば、子供の試験期間中や、夫の仕事でのプレゼンテーションといった大切な日等、蓋を開けるとそこに応援メッセージが見て取れるようなものを日本人の主婦は作るという。例えば、とんかつなら、その日本語の音の響きから、「勝つ」という意味になり、日本の郷土料理で朝食に良く食べられ、高たんぱくで体にも良い納豆なら、ねばねばしているため、英語のNeverにかけて、Never Give up、すなわちあきらめるな、という意味が込められているのだという。なるほど、「母の愛とは、台所から始まる」とはよく言ったものだ。家族に対しての思いが見て取れる小さな例である。



 

ライター

ウボンティップ・セートサッコー

TKLS埼玉の元気な女の子・ウェブサイト 「日本のことなら何でもお話します」オーナー



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