外国で生活するということは容易なことではないが、二人とも自分の国ではないため難しいことも無い。むしろ慣れていない、ということだろう。しかし、日本人から学びを始めるということは難しいことではない。日本語力はゼロだったが、なんとか生きていくためにチャレンジした。当初、「カルチャーショック」の連続だった。品物の価格を見ると、すぐさま頭の中でタイの価値に置き換えて計算してしまっていたのだ。日本に住むようになったばかりの頃は、100円に対して、36.75バーツであった。どれだけ考えても、とてもじゃないけど買えない、使えない、と思うばかりだった。スーパーで野菜を見ても高すぎて触ることもできなかった。タイ料理に使う調味料など、言うまでもない。そもそも高い価格がより一層価格になっている。そういう驚きに慣れるまで1年ほど費やしたため、そのころの私の体形はほっそりし、逆になかなかよかったと思う。
でも今はあれから8年が経ち、日本で主婦をするという生活もいろいろと変化があった。私は「ライター」として、日本に関する記事をウェブ上で書き、「日本のことなら何でもお話します」というタイトルの小さなウェブページを開いた。このページは、日本についてホントの本当について書いたもので、食べる、遊ぶ、買い物する、日常生活、日本でのライフスタイル、文化、お祭りから最新ニュースまで、日本のことについて全ての分野のストーリーを紹介している。好きだからやっている趣味のようなものとして始めたほどのものであるのに、開設から2年ほどで、フォロワーが20万6千人にもなった。ああ、これを読んでくださっているあなた、まだフォロワーでなかったとしても、まだ間に合いますよ。ぜひ私のページの表紙からフォローしてくださいね(ちょっと宣伝でした (笑))。
ライターとして活動していくうちに、楽しみが増えた。私が書く内容の一部は、私自身の日常生活体験から得たもので、私自身が興味のあるもののほか、他者にとって役に立つと思われるものや、自分が育った国とは異なる土地で得た新しいものの見方、日本人の価値観、我々なら見過ごしてしまうようなストーリーや小さなことにも心を込める人たちのことなど。これらのことは、日本で生活するようになった私の見方を変えるだけでなく、これらを読んでくれた人たちにとっても、何かしら考えるところや新しいものの見方等を得てもらえているのではないかと思う。
日本で主婦になる上で、まず始めに知らなければならないことは、「ゴミ捨て」だと思う。日本は、世界でもトップクラスのゴミの分別を非常に丁寧に行っている国として、知られている。どんなゴミを捨てるにしても、捨てる前にまず分別しなければならない。中には、捨てる前にきれいに洗浄したり、乾燥させたりしてから、初めて捨てることが可能になるものもある。そうすると、とても清潔で新しく見えるため、捨てるものなのに「ゴミ」と呼べないように思うものもある。揚げ油の廃棄にも、やり方がある。あるものを油の中に入れると、油が固まり、それを新聞紙に包んで燃えるゴミに出す。
分別が出来たら、次はゴミ捨ての曜日だ。週単位でゴミの種類別に何曜日に出せばよいかが分かる表があって、それに則ってゴミを出す。ゴミ収集車はその該当曜日にのみ収集に来るだけ。初めはゴミの分別も難しいものの、慣れてしまえば心配していたほど大変なことではなかった。きっと誰でも出来ること!
日本人は、子どもの頃からゴミ捨てにも規律を以て教えられる。このため、日本は、道の途中にゴミ箱を設置せずとも街が清潔に保たれている。ゴミを持っている人は家まで持ち帰って捨てる。日本人を見ていると、老若男女、家を出るときには必ず1人1個のカバンを携帯しているが、中にはそれ以上持っている人もいる。日本人の友人に、いったい中には何が入っているの?と聞いたことがあるが、答えはこうだ。必要なものを入れるだけでなく、ゴミをカバンに入れて置いて、家に着いてから捨てるのだ、と。これも日本人の小さな心遣いだ。私自身、考え及ばなかった。
最も重要な事。日本人は、ゴミは、彼らの食物を生み出す土と水に還るもの、と考えているため、きちんと捨てずに自然界に漏れてしまったゴミは、巡り廻って汚染サイクルを通じて人間に悪影響を及ぼすようになる。心を込めて行っている有機農業システムも崩れてしまう。我々ひとりひとりがこのサイクルについて理解すれば、日本人だけでなく、世界の人々が理解すれば、土や水が清潔に保たれ、安全な食物を得られるようにもなる。食物は、我々全ての人間が、毎日摂って行かなければならないからこそ、重要なのだ。
ライター
ウボンティップ・セートサッコー
TKLS埼玉の元気な女の子・ウェブサイト 「日本のことなら何でもお話します」オーナー
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