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ピアンヨッターン


「ひとつぶの汗から、多くの家庭の安全な素材となる、ひとつぶの純粋な砂糖を作り出す」


この言葉に確かに偽りはない。ピアンヨッターンを知ってから1年余り、この商品の消費者として、そして砂糖を生産したことがある経験者として、ストーリーや経験を自信をもってお伝えしたい。


今から数か月前のこと、ピアンヨッターンのFacebookページに、「つながり」を求めて、「畑に遊びに来ませんか」、の文句が目に入った。私自身、何の躊躇もなく、グループのリーダーに参加したいとの旨を伝えた。そして当日、実際に現地に赴き、シェフ、ホテルオーナー、小売業、先生、博士課程の学生等、様々なバックグラウンドを持つ人々が一堂に会し、実際に「砂糖を作る」という仕事をそれぞれの角度からつなぎ合わせたのだ。砂糖作りの詳細についてお話することはここでは控えたい。興味のある方は、ピアンヨッターンにぜひ赴いてご自身で体験してほしい。読者の皆さんにも、ただこれを読むだけではなく、私と同様の経験をして

欲しい、と思うからだ。今日は、多くの人にとって未だ理解されていないかもしれない「つながり」についてお話したい。


ゲー姉さんことシリワン・プラワットローイさんとエークことアカラチャイ・ヤッパンさんの2人は、農薬使用100%に背を向けたコミュニティのリーダーで、私たちをサムットソンカーム県タキアン町の村に連れて行ってくれた。そこで働く砂糖の原料となるシュガーパームの畑の人々と出会った。互いに話をしてそれぞれの角度から理解を深めた。多くの砂糖釜が使われなくなってから、コミュニティ内の人々の暮らしも静まり返り、若い世代は都会に仕事を求めた。砂糖を作る仕事など重労働で疲れるものだと考えられたからだ。そう、それは真実。身体にとっては相当な重労働。70才を超えたジット爺さんやレック爺さんの足跡からもうかがい知

れることが出来る。何度も苦難に遭遇しながら、その根気強さを以て、最後には砂糖釜に再び火を入れたのだ。

ピアンヨッターンの砂糖は、清潔で純粋な砂糖であるだけでなく、全てのネットワークを統合してつなぎ合わせた、コミュニティのビジネスなのだ。単に販売することを目的としているのではなく、タイ人の食の源の原型として、有益となるような学びの場とするべく、また、自然にかける負担を最小限に抑えるべく運営している。有機農業について学ぶセンターの他にも、害虫駆除、農薬に頼らずココナッツの害虫を駆除するためのコマユバチというハチを養殖したりする場にもなっている。


ピアンヨッターンの砂糖がどれほど良いのかを言いたいのではない。安全な甘みをぜひ自身で味わってみてほしいのだ。食とは個々のものであり、安全な素材とは「農家の心臓」なのである。




 

ライター

ナタポーン・ピンペット

クリエイティブ/話し手

 

インタビューした人

シリワン・プラワットローイ

ピアンヨッターン

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