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材料の成長が待ちしいカヌンの3つの料理(後編)



続いての料理は、有機農法で栽培したタロイモを使ったものだ。本当に美味しいので、お話ししたい。私は以前、自分で栽培して収穫したタロイモとその他の材料をカバンに詰めてチェンマイに出かけたことがある。ある小さなレストランで、私が持ち込んだ材料を使って料理を作ってくれたのだが、それはオーナーの経験のストーリーに満ちあふれたものとなった。


料理を作り終えたシェフが、私のタロイモはとても良い香りがする、このように良い香りのするタロイモに出会ったことはない、と私に向かっておっしゃった。それだけで遠いチェンマイまで材料を運んできた甲斐があるというもの、とても特別な日になった。オーナーは、オーナーのコレクションであるアンティークを見せてくれた。


私のタロイモが、今回の出会いを与えてくれたのだ。これはどれほど幸運なことだろうか。


このストーリーでご紹介したい料理というのは、根気さえあれば最初から最後まで自分でできるものだ。


私の畑のタロイモを掘り起こし、玉ねぎを抜いて来たら準備完了!



タロイモの湯葉包み上げ


材料

湯葉…スーパーや市場で売られているもの もしくは大豆から豆乳を作り、自家製の湯葉でも良い(ここまで読んでくださった読者の方ならお分かりかと思うが、私は遺伝子組み換えをされていない大豆を使って湯葉を作ることなどお手の物だ。どれほど健康に気を使っているかということはお分かりいただけるだろう)。


タロイモ…ぽってりとして丸くて丈の短いもの 表面を切ってみると、真っ白な肉質の部分に紫色のスジが入り込んでいるのが見える。購入するときには、底部を見て、乾いたものを選ぶと良い。湿っていたり柔らかくぶよぶよした部分があるものは避けること。この部分から微生物が入り込んで3,4日で腐ってしまうものだからだ。軽く指で芋の頭部中央を叩いて見たときに、ポクポクという音がすればOK、プクプクという音の場合は、その芋の肉質が密ではなく美味しくないことの現れなので、他の良い芋を探すこと。私のように自分で栽培している者からすると、早く収穫したくてうずうずしているのだが、5か月ではまだ早いので、あと1か月は我慢して、舌が痒くなったりしない、甘くて美味しい芋になるてしない芋になるのを待たなければならない。他には、細ネギ、塩、シイウカーオ、粉こしょう、でんぷん粉(使う前に篩っておくこと)


作り方

1. 湯葉を水につけて柔らかく戻す。

2. タロイモの皮を3ミリほどの厚さで剥き、タロイモの丈を活かして長く切ったら籠に入れて表面を乾かす。こうすることで、芋は硬くならず多少萎れて柔らかくなる。

3. 細ネギの青い部分を短い幅に切り、根の白い部分は薄い小口切りにする。

4. 乾いたタロイモを塩とシイウカーオで和え、タロイモから水分が出て来たのを手で確認することができたら、葱を入れる。タロイモが乾いていて水分が出てこない場合、別途水を少し垂らしタロイモ同士がくっつくようにする。

5. 湯葉の水を切り、大き目のバットの上に広げ、棒状のタロイモを湯葉の幅いっぱいに並べる。

6. 端から少しずつタロイモをしっかりと巻いていく。揚げにくく、また食べにくくなるので、余り太くしないように注意すること。

7. 湯葉の表面に透明感が見える程度に蒸したら、蒸し器から器ごと取り出し冷ましておく。

8. 湯葉がしっかり冷めて、塊として取り出すことが出来るようになったら、冷凍庫で何か月も保存することが可能である。

9. 食べるときに、冷蔵庫から取り出し、室温に戻してから、一口大に切り、中火の油で揚げる。中まで火が通り湯葉がカリッとしたら、油をきって、梅の甘酢タレとパクチーと共にいただく。


湯葉のぱりぱりとした歯触りと、タロイモのくちどけ、そしてピリリと効く胡椒…ぜひお試しあれ。気に入ること請け合いですよ。


植付け時期 タロイモ:6月から8月 収穫時期 12月から2月

細ネギは年中植付け可能。雨期の成長は遅い。



そして最後のメニューをご紹介しよう。


若いジャックフルーツのナンプラー和え私のニックネームの「カヌン」と同じ、ジャックフルーツを使った料理で、ジャックフルーツは縁起の良い木だと先人たちに信じられてきた。ジャックフルーツは、一度に房で実を付けるが、ひと房当たり4,5個の実を実らせる。若いジャックフルーツの実を間引きしてこの料理を作る。そうすることで、一番良い実を大きくして最後にフルーツとして食べることができるからだ。


この方法は、同じ種類のものを様々な食べ方で長く食べられるよう、先人たちの知恵によるものだ。


大規模な生鮮市場やスーパーマーケットでは、この料理を見つけることはきっと出来ないだろう。しかし、祖母の時代はナンプラーまで手づくりしていた時代だ。祖父が河で漁をして家族を養っていた時代に、祖母は小さな魚でナンプラーを仕込み、発酵させては毎年食べる分を確保していた。伯母は、祖母の作るナンプラーはとても美味しかったのだ、と話してくれた。その香りも味も、現代に市場で売られているものとは異なる、と。


それでも、私のように、食に関心が高い消費者の手にかかれば、こうした古いナンプラーをも「食べて世界を変えよう」グループを通じて探し出してしまう。このグループは、昔ながらの手法を用いて化学物質を一切用いずに製造する調味料メーカーを応援している。このナンプラーが祖母の作るものに最も近いものだと考え、調達した。


材料

若いジャックフルーツの実、ナンプラー、タマリンドの戻し汁、コブミカンの葉、レモングラス、赤玉ねぎ、プリッキーヌー唐辛子、ライム、ココナッツシュガー、スズメナス


作り方

1. ジャックフルーツを繊維を断ち切るように薄切りし、ゆでて火を通す。火が通ったら水を切っておく。

2. ココナッツシュガーとナンプラーを混ぜ合わせ、水で戻したタマリンドの果肉を少々入れ、弱火で煮詰める。味見をして、塩味、酸味、そして甘味があるか確認する。少々酸っぱいがタマリンドの果肉が完全に溶け切れていない場合、その果肉を取り出してしまい、塩味と甘味を足して、ナンプラー液全体が沸騰したら、火からおろす。

3. 赤玉ねぎを薄くスライスし、コブミカンの葉、プリッキーヌー唐辛子、レモングラスも薄切りにする。スズメナスは半分に切る。

4. 3.の具材をナンプラー液に入れて混ぜ、味を見る。塩味、甘味を見て、酸味をもう少しプラスしたければ、ライムで調整しても良い。

5. 器によそい、茹でたジャックフルーツと共にサーブする。

この料理は、何の変哲もないものに見えるが、一度作って食べて見ると、その美味しさに気に入ってしまうこと請け合いだ。家庭料理で、繊維質を多く含むため、腸にも良く、旬の材料を使うため、ジャックフルーツ、コブミカンの葉、プリッキーヌー唐辛子、タマリンド、ライム等、材料の調達もしやすく、自分で栽培することも簡単だ。一度栽培すれば、毎年収穫でき、食べることが出来る。栽培は、収穫を長きに渡り楽しむための仕事と言っても良い。伯母が話してくれたような祖母のナンプラーについては…私も一度は自分でナンプラーを仕込んでみて見ようと思う。



 


ライター

ナタカナーン・プリ―チャーボリスットクン(ヌン)

農家

安全食品生産者

ナチュラルシャンプー・石鹸生産者

自給自足分野講師

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