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海外におけるインスパイアされる農業:サンフランシスコ


このソンクラーン(タイ正月)休暇に、アメリカを再訪する機会を得た。もともと旅先の市場歩きが好きな性分で、今回もサンフランシスコの有機農業の様子をしっかりとこの目で見て来たので、以下にシェアしたい。


フェリービルディング・マーケットプレイス


フェリービルディングは、水上交通のサービスを提供するだけでなく、地元農家の即売市場にもなっている。100年以上の歴史を誇るサンフランシスコのフェリービルディングにて、フェリープラザ・ファーマーズマーケットという名で良質な農産品を販売しているのだ。



フェリービルディングは、サンフランシスコに鉄道でやって来る人々の運輸センターとして、西暦1898年に建設された。カリフォルニア・ゴールドラッシュから1930年代まで、サンフランシスコまでの唯一の移動手段がフェリーだったのだ。この豪華な2階建てのコーナーと頭上にスカイライトを持つビルを1日に5万人もの乗客が通過していった。


ベイブリッジやゴールデンゲートブリッジの開通後には、車での往来が主流となり、船で河を往来するのは時代遅れとなってしまった。フェリービルディングの利用も減ってしまい、1955年には、2階立てのビルが一般的な事務所用地としてリノベーションされ、最終的に、1989年のロマ・プリータ地震を機に、ビル全体が以後35年間閉鎖されてしまった。

2003年3月、このサンフランシスコの河岸のビルを一般の人々が再び見学することが出来るようになった。4年に渡る修復工事を経て、ビル内のネイヴ通りはマーケットとしてリノベーションされ、「世界的な公衆食品市場」として、カリフォルニア州から認証された非営利活動団体「持続可能な農業に関する都市部教育センター(CUESA)」により運営される現在のフェリープラザファーマーズマーケットとなった。このマーケットは、厳選された素材と心を込めた調理によって作られた料理や農園から持ち込まれる新鮮な商品はその品質や多様性において広く認められるところとなった。マーケット内には、果物、野菜、ハーブ、花、肉類、卵等が、それぞれ小規模の農家やファームのオーナーから持ち込まれているが、その大部分が有機農業の認証を受けており、蜂蜜やオリーブオイル、チーズ、パン、コーヒー等の有機加工食品等も充実している。



フェリープラザファーマーズマーケットは、アメリカを代表するマーケットである。ここに来る機会があれば、是非行って、そして新鮮で安全な素材で作られた料理を食べてみて欲しい。また、新鮮な素材を購入して自身で料理して味わうのも良いだろう。特に土曜日は、著名なシェフも農家もここに集まりマーケットを開き、集まってきた人々との会話を楽しみ、料理や栽培方法について知識を交換し合ったりする。このマーケットを利用する人の数は、1週間平均4万人にも上る。


この例を見て思うのは、タイにおいてもこのような質の高いマーケットをつくるのは、決して難しいことでも遠い未来の話でもないということだ。


資料 https://www.ferrybuildingmarketplace.com



 

ライター

ナタポーン・ピンペット

クリエイティブ/話し手


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